2013.5.22【米国情報】AFCP 2.0の運用開始について

USPTO(米国特許商標庁)は、2012年3月25日から2013年5月18日まで試験的に実施されていたAFCP(After Final Consideration Pilot)の改良版となるAFCP 2.0(After Final Consideration Pilot Program 2.0)を発表し、2013年5月19日よりその運用を開始しました。この運用の実施期間は2013年9月30日までとされています(※現在2016年9月30日まで延長されています(2016年7月14日更新))

AFCP 2.0においては、従来、RCE(継続審査請求)せざるを得ないことが多かったファイナルオフィスアクション(以下、ファイナルOA)後の応答について、審査官に限定的な検討時間が割り当てられます。この点において従前のAFCPと類似しておりますが、次の3つの点において異なっております。すなわち、i)出願人はAFCP 2.0に参加するための申請書を提出しなければならない点、ii)ファイナルOA後の応答が少なくとも1つの独立クレームについての補正を含むものでなければならない点、及びiii)審査官はpendingの全クレームが許可状態にならないと判断した場合には応答内容を議論すべく出願人にインタビューを要求するという点です。このようなAFCP 2.0の目的は、出願人と審査官の連携を改善することによりRCEの数を減らす、ひいては審査係属期間を短縮することにあるとされております。

このAFCP 2.0下で審査官にファイナルOA後の応答を考慮させるためには、(1) AFCP 2.0下での考慮を求める旨の所定の申請書、(2)少なくとも1つの独立クレームに対する当該クレームの範囲を広げない補正を含む応答書、(3)応答に関し審査官によって開始されるインタビューに快く応じる旨の陳述書、及び(4)必要な手数料(AFCP 2.0に伴う追加手数料はありませんが該当する場合には延期費用が発生します)の4つが必要とされます。

従来"New Issue"と判断されて補正が認められずRCEせざるを得ないことが多かった応答事項について、このAFCP 2.0によれば出願人と審査官の密な連携を図ることによりRCEを回避できる可能性があることから、審査が迅速化されるとともに出願人の費用負担が軽減されるものと期待されます。

詳細につきましては以下のサイトをご覧ください。
http://www.uspto.gov/patents/init_events/afcp.jsp
http://www.gpo.gov/fdsys/pkg/FR-2013-05-17/pdf/2013-11870.pdf



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