2013.2.25【米国情報】USPTOの特許料金改定について

USPTO(米国特許商標庁)は特許に関する料金改定を発表しました。この料金改定では、多くの料金が値上がりしますが、登録料(Issue Fee)等の幾つかの料金は値下がりします。また、殆どの料金改定は2013年3月19日から適用されますが、2014年1月1日まで留保されるものもあります。


今回の料金改定は特許に関する料金の全般にわたるものですが、ここでは、主として、実務上影響が大きいと思われる項目を中心にご紹介させて頂きます。


■登録料:2014年1月1日より発効
登録料(Issue Fee)は2014年1月1日より大幅に値下げされます(例えば、出願人がラージエンティティ(large entity)である特許の場合、現行1770ドルが960ドルに値下げされます)。従って、2013年10月1日あるいはそれ以後に特許査定(Notice of Allowance)を受け取った場合、登録料を2014年1月1日あるいはそれ以後に納付することをお勧めいたします(但し、特許査定で指定された延期不可の3か月以内に納付することは大前提ですが)。


■維持年金:2013年3月19日より発効
大幅な料金値上げを考慮して3月19日よりも前に、未納の維持年金(Maintenance Fee)を納付されることを推奨いたします。例えば、ラージエンティティに適用される維持年金の値上げは下記のとおりです。


ラージエンティティの維持年金


 

現行

改定後

第1回維持年金(第3.5年次)

$1150

$1600

第2回維持年金(第7.5年次)

$2900

$3600

第3回維持年金(第11.5年次)

$4810

$7400


■応答期間延長費用:2013年3月19日より発効
2013年3月19日以後の応答期限が設定されているオフィス・アクションを受け取っている場合には、2013年3月19日よりも前に応答するか、それ以前に応答期間延長願の申請を済ませることをお勧めいたします。ラージエンティティに適用される料金の値上げは下記のとおりです。


 

ラージエンティティの応答期間延長費用


 

現行

改定後

1ケ月延長費用

$150

$200

2ケ月延長費用

$570

$600

3ケ月延長費用

$1290

$1400

4ケ月延長費用

$2010

$2200

5ケ月延長費用

$2730

$3000


■RCE料金:2013年3月19日より発効
RCE(継続審査請求)を行う場合、2013年3月19日よりも前に提出することをお勧めいたします。初回のRCE提出費用が値上がりするためです(例えば、出願人がラージエンティティである場合、現行930ドルが1200ドルに値上げされます)。2回目以降のRCE料金は更に値上げされます(例えば、出願人がラージエンティティである場合に現行930ドルが1700ドルに値上がりします)。


■審判手続費用:2013年3月19日より発効
審判手続(Appeal)の料金体系は2段階に改定されます。ラージエンティティであれば審判請求書(Notice of Appeal)提出時に現行の630ドルが800ドルになります。審判理由補充書(Appeal Brief)提出時に課されていた630ドルは廃止されます。しかし、審査官が答弁書(Examiner's Answer)を起案した場合、特許出願を審判部へ回付し審理させるための費用として2000ドルが課されるようになります。


■査定系再審査請求費用:2013年3月19日より発効
査定系再審査請求(Ex Parte Reexamination)費用は2013年3月19日より大幅に値下げされます(例えば、出願人がラージエンティティである場合、現行17750ドルが12000ドルに値下げされます)。従って、再審査請求を予定しているのであれば、可能な限り2013年3月19日まで再審査請求書の提出を延期するか、あるいはそれ以後に提出することをお勧めいたします。


■マイクロエンティティ制度:2013年3月19日より発効
スモールエンティティ(Small Entity)の規模に加えて、極めて限られた分類としてマイクロエンティティ(Micro Entity)制度が創設されます。このようなマイクロエンティティに対して、米国特許商標庁は種々の料金を75%の割合で減額します。しかし、マイクロエンティティは先ずスモールエンティティとしての適格性を備えなければならず、
次に以下の要件を満たす必要があります。

  1. 1)過去において仮出願ではない特許出願をUSPTO(米国特許商標庁)に4件以上出願した発明者が関与していないこと
  2. 2)米国の年間平均世帯収入の3倍(150062ドル)以上の総収入を有する発明者が関与していないこと
  3. 3)特許出願がこれらの条件を満たさない企業や団体に譲渡されていないこと

改定後料金表等の詳細につきましては下記のサイトをご覧ください。
http://www.uspto.gov/web/offices/ac/qs/ope/fee031913.htm
http://www.uspto.gov/about/offices/cfo/finance/fees.jsp




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